マッケンジー法
「あなた」自身が
自分で治す唯一の方法
これから、あなた自身が自分で痛みを治していくための唯一の方法について解説していきます。
病院に行っても、整骨院に行っても、鍼灸院に行っても、どこに行っても治らない痛みが、自分自身で治せるの?と疑問に思われるかもしれません。専門的な知識と技術を持った医者や治療家の先生でも治せないこの痛みを、何の知識もない素人の自分にそんなことできるわけがない…。最初は皆さん、そう感じます。
ですが、私はむしろ、「あなた自身が自分で治す以外に方法はない」と確信しています。まずは、その理由について説明していきます。
なぜ、「痛み」が起こるのか?
この疑問について考えたことがありますか?
おそらくこの記事を読んでいるあなたは、腰痛、肩こり、頭痛、膝痛、手足の痛み、ヘルニア・狭窄症による神経痛、その他、原因の分からない慢性的な痛みに悩まされていることと思います。
では、なぜ、「痛み」が起こるのか、「痛み」の意味について考えたことがありますか?これからあなたが痛みを克服していくにあたって、まずこの疑問をクリアにしなければいけません。それは、痛みの正体を知らずに、痛みを克服することは不可能だからです。
構造痛
なぜ、痛みが起こるのかを正確に理解するうえで、非常に重要なのが「構造痛」という概念です。構造痛を理解できれば腰痛の半分以上は改善できるとまで言われています。
では、構造痛を理解するために、簡単な実験を行ってみましょう。
最初に写真のように指を後ろに曲げてください。
指に緊張が感じられるまで曲げます。指に緊張を感じる状態に保つと、最初は軽い不快感を感じるだけですが、時間がたつと最終的に指が痛み始めます。これが構造痛です。
構造痛は、指の関節にある一定方向の物理的な負荷が加わり続けることによって、「これ以上指を曲げ続けたら指が損傷してしまうよ」という体からの警告システムが教えてくれているのです。
つまり、「構造痛=警告」です。どんな警告か…、これ以上の負荷を加えたら体の組織が損傷してしまうよ、というサインです。
例えば、庭の草取り、長距離運転、長時間のデスクワークなどにより「腰」に物理的な負荷が加わったとします。すると体は「腰に負担がかかっているよ」というサインを痛みを出して教えてくれます。この警告を無視して長期間、腰に負担をかけ続けると腰の損傷(例えば椎間板ヘルニアなど)が起こります。
つまり、「痛み」は人の体になくてはならない警告システムなのです。
極論、「痛み」があるのが正常
もし、あなたが日頃の生活のなかで、無意識に腰に負担をかけているとしたら、腰痛になるのは正常なことです。
もし、あなたが日頃の生活のなかで、無意識に首に負担をかけているとしたら、肩こり、首痛、頭痛になるのは正常なことです。
これがもし、痛みという警告システムが人の体からなくなったらどうなるでしょう。体に負担がかかっているよ、と知らせるサインがなくなるわけですから、気付けば体は損傷しているでしょう。
先天性無痛無汗症という病気をご存知ですか?
先天性無痛無汗症は、生まれつき痛みを感じる神経が発育せず、痛みや熱さ、冷たさを感じない(感じにくい)病気です。まさに体から警告システムがなくなってしまった状態です。そのため、先天性無痛無汗症のお子さんは、打撲、骨折、脱臼、火傷などを繰り返します。
でも、おそらくあなたの体には正常な警告システム(痛み)が備わっているのではないでしょうか?だから、腰に負担がかかれば正しく腰が痛くなるし、ひどくなれば坐骨神経痛のような痛み、しびれも起こり得ます。
痛みがあるということは、体の警告システムが正常に作動しているという証ですし、それによって重篤な組織の損傷を回避することができるわけです。
「痛み」を静めるには…
では、痛み(警告)を静めるためにはどうしたら良いのでしょう?
先ほどの指の実験を例に話を進めます。実験では、指を後ろに曲げることによる関節への負荷で、指の痛み(警告)が起こっていたわけです。この痛みを静める方法はとても簡単ですね。指を曲げる行為を中止するだけです。つまり、指に加わっていた物理的な負荷を中止するだけで痛みは消えさります。
これが、腰痛であっても肩こりであっても頭痛であっても膝痛であっても本質は同じです。体に加わった負担を抜いてあげることができれば痛みはなくなります。というより痛みとして警告を出す必要がなくなるわけです。
あなたの腰痛、肩こり、頭痛などの痛みを静めるには、あなた自身が無意識に蓄積してきた腰、首、その他手足の関節への負担をリセットしてあげる、それだけです。
そして、あなた自身が体に蓄積した物理的な負担をリセットするための手段が「マッケンジー法」です。
自分で治すためのプロセス
マッケンジー法の具体的な中身をシンプルにお伝えすると、「体操」です。ですが、当院ではどんなに簡単な体操を処方する場合でも、必ず「問診」「検査」の過程を大切にしています。体操のメニュー表を渡して終わりなんてことはありません。
人の体は意外とデリケートです。間違った体操や自己流の体操だと簡単に悪化してしまいます。私の経験上、YouTubeで見た体操・ストレッチで逆に体を悪くしている人が大勢います。
その理由は、「問診」と「検査」の過程を経ずに、いきなり見よう見まねで体操を実践しているからです。
当院では、体操の実践をお願いする場合は、必ず問診→検査→修正の過程を繰り返し、確実に効果のある体操法をお伝えしております。
この過程を繰り返すことで、最終的にあなた自身が痛みの自己管理ができるようになるのです。