食育

食育で体の内側から改善

内臓疲労

慢性的な腰痛、肩こり、頭痛、神経痛などの背景に「内臓」の問題が隠れていることが多くあります。

ここでいう「内臓の問題」のほとんどは、病気という意味ではありません。例えば、「肝臓の疲労」があったとしても、肝臓の病気があるわけではありません。内臓は病気になるずっと前から疲労しているのです(もちろん内臓の病気が潜んでいる場合もあります)。

そのため、内臓の疲労が血液検査に反映されたときは、それなりに内臓の状態が悪くなってしまっていると考えられます。

病気になるずっと以前から、血液検査に反映される少し以前から、あなたの内臓は疲労している可能性があるのです。

ここで内臓疲労と痛みの関連の例を挙げます。

例えば、定期的な薬の服薬、ホルモン治療、飲酒、加工食品などにより肝臓が疲労します。すると、肝臓の血流が悪くなります。肝臓は非常に血流量の多い臓器で、1分間で約1.5ℓの血液が流れます。全身の血液が4~5ℓなのでかなりの量です。肝臓の血流が悪くなると、肝臓がむくみます。

肝臓のむくみは、頭痛、右肩の痛み、右腕の痛み・しびれ、腰痛、坐骨神経痛様の痛み・しびれを引き起こすケースが多いです。つまり、これらの痛み・しびれは筋肉や関節だけでなく、内臓の問題を必ず考慮しなければならないのです。

炎症

「炎症」と聞くと怪我をした後の治癒過程をイメージされる人が多いと思います。例えば、骨折をして、痛み、腫れ、発赤、熱感がある場合、これは治癒過程に伴う正常な炎症反応です。

ですが、これは炎症の中でも「急性炎症」に分類されます。スポーツで膝に負担がかかって、その後、痛み、腫れ、発赤、熱感がある場合、膝関節の急性炎症です。急性炎症の場合、正常な治癒過程が進むことで自然に治まります(急性炎症を繰り返している人も多い)。

一方、急性炎症とは別に「慢性炎症」というものがあります。慢性炎症は、急性炎症と違って「体内」で進行することが多く、症状も分かりにくいため気が付かないうちに様々な痛み・不調の背景に潜んでいることが多いです。

例えば、動脈硬化は血管の慢性炎症がその背景に潜んでいると言われてます。慢性胃炎や腸内で慢性的な炎症を繰り返している人も多いです。

慢性炎症を引き起こす原因としては、過剰な「糖質」と「オメガ6脂肪酸」と言われています。どちらも体内の「代謝」には欠かせない要素ですが、過剰に摂取してしまうと体内の慢性炎症の引き金になってしまいます(ほとんどの日本人が糖質、オメガ6脂肪酸を過剰に摂取しています)。

炎症反応、特に慢性炎症がほとんどの日本人に関わってくる問題である以上、体内の炎症をコントロールするための食事療法は必要不可欠なのです。

痛みの新事実

ここであなたがこれから痛みを克服していく過程において、非常に重要なことをお伝えします。

ある機関の研究によると、純粋な筋肉・骨格の問題だけが原因となって起こっている痛みは、全体の3割以下である。残りの7割以上は、筋肉・骨格以外の問題が潜んでいる。というデータがあります。

つまり、ほとんどの痛み治療の過程には、内臓や炎症を考慮した「食育」が取り入れられるべきなのです。

当院が提案する食育とは

食育と聞くと「栄養学」をベースとしたものをイメージされるかもしれません。しかし、当院では栄養学は食育の一部と考えています。

当院では食育の柱に6つの要素、「間欠的ファスティング」「安全な糖質制限」「脂質コントロール」「栄養学」「腸内環境改善」「飲水法」を取り入れており、必要に応じてアドバイスいたします。

間欠的ファスティング

「間欠的ファスティング」を知っていますか?

ファスティングは「断食」という意味です。様々な方法がありますが、基本的にはその名の通りある一定期間、食を断つ(食べない)ことです。

軽負荷のファスティングの場合1日、慣れてくると3日~5日間と食べない期間を長くしていくのが一般的です。

ですが、当院で採用している「間欠的ファスティング」は一般的なファスティングとは少し違います。まったく食べないわけではありませんし、高価な酵素ドリンクなども必要ありません。必要な栄養素を摂取しながら段階的に空腹時間をコントロールしていきます。

あなたに合ったプランで実践することができ、高価なドリンクやサプリメントも必要ないため、誰でも簡単に取り組むことができます。

安全な糖質制限

先にも申し上げた通り、ほとんどの日本人が糖質を過剰に摂取しています。

糖質の過剰摂取による問題は様々で、先に述べた「慢性炎症」とそれに関連した「糖化」があります。慢性炎症、糖化からさらに多くの問題へと波及します。

事実、代謝の観点からみると、人は糖質を一切摂取しなくても、体内でたんぱく質から糖をつくることができます(糖新生)。

だからと言って、いきなり糖質を一切制限することはオススメできません。赤血球などの細胞は糖質のみをエネルギー源としているからです。

体内の炎症、糖化を予防するためには、安全な糖質制限を実践する必要があります。そのためには、あなたに合った負荷の糖質制限を段階的に進めていかなければいけません。

当院では、砂糖、人工甘味料、精製穀物などの糖質・添加糖を計画的に制限し、体の内側から体質改善を目指します。

脂質コントロール

「脂質」と聞くとマイナスなイメージを持たれる方が多いかもしれません。

ですが、あなたが摂取した脂質がそのまま中性脂肪に変わるわけではありませんのでご安心ください(代謝の観点からみると過剰な糖質から中性脂肪が合成される割合が多いため)。

脂質にはいくつかの種類があります。その中には、体内の炎症を促進する脂肪酸、反対に炎症を抑制する脂肪酸、炎症とほとんど関連のない脂肪酸があります。

また、自然界に存在しない脂肪酸も存在し、私たちは無意識に様々な種類の脂質を摂取しています。

当院では、体内での脂肪酸の役割を考慮し、症状改善に向けた脂質の摂取方法をアドバイスいたします。

栄養学

もちろん、食育に栄養学は欠かせません。

人は体内で「代謝」という複雑な化学反応を繰り広げることで、生命を営んでいます。この代謝がストップすると一切の化学反応が起こらなくなるため、生命を維持すること自体が困難になります。

例えば、「不眠症」を考えてみましょう。

睡眠と深く関係している「メラトニン」というホルモンがあります。メラトニンは右脳と左脳の間にある松果体という場所から分泌される体内時計を調節するホルモンです。

メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれ、メラトニンの分泌量が増えると自然と眠くなるのです。

難しい話ですが、メラトニンはセロトニンからつくられます。セロトニンをつくるには「鉄」が必要です。つまり貧血で鉄不足だとメラトニンが作られず不眠症になる可能性が高いのです。

また、メラトニンをつくるには「鉄」のほかにも「トリプトファン」と呼ばれるアミノ酸が必須です。これはたんぱく質から摂取する必要があります。

不眠症の解決には「鉄」と「トリプトファン」という栄養素が必須というわけです。

当院では、こういった代謝の化学反応の過程から、あなたに必要な栄養素を考察しアドバイスいたします。

腸内環境改善

先に述べた栄養(メラトニンの視点から見たときの鉄やトリプトファン)が、良質な栄養として体内に吸収されるかどうかは、「腸内環境」によって決まります。

腸内環境が良ければ、私たちが食べたものは腸内で「発酵」し、良質な栄養として吸収されます。逆に腸内環境が悪ければ、私たちが食べたものは腸内で「腐敗」し、毒素が生成されます。

つまり、栄養が栄養として吸収されるかどうかは腸内環境によって決まるので、これは栄養学以前の話なのです。

腸内環境の良し悪しは、「腸内細菌」の「多様性」と「バランス」によって決まるとされています。

腸内細菌の多様性とは、どれだけたくさんの種類の細菌が腸内に棲みついているか、ということです。腸内細菌のバランスとは、「善玉菌」「日和見菌」「悪玉菌」の比率を意味します。

したがって、腸内環境改善とは、「多様性」と「バランス」の改善です。

しかし、これが非常に難しく、そう簡単にはいかないのが現実です。

当院では、腸内環境改善のために以下の3つの方法を採用しています。

・プロバイオティクス
・プレバイオティクス
・バイオジェニックス

プロバイオティクスは生菌(生きた菌)を摂取して補うこと、プレバイオティクスは水溶性食物繊維・オリゴ糖など善玉菌の餌を摂取すること、という意味です。

どちらも食生活の改善で簡単に取り組むことができます。

しかし、どちらも腸内細菌の多様性・バランスを改善するほどの大きな効果は難しいとされています。

バイオジェニックスは、腸内細菌を介することなく直接生体に作用する食品成分を摂取することです。主にサプリメント等を使用して行います。

飲水法

最後に「飲水法」です。飲水法に関しては、すべてのお客様に共通してお伝えしている内容になります。

先にも申し上げた通り、人は体内で「代謝」という複雑な化学反応を繰り広げながら生命活動を維持しています。そして、この複雑な化学反応を行うためには、「水」が必要なのです(加水分解という反応で水を利用する)。

そのため、水を飲むことは基本中の基本です。

しかも、その必要量は人によって異なり、体重あたりで計算することが可能です。

当院では「体重15㎏につき、0.5ℓ」という計算法でアドバイスしております。