
こんにちは、小林市の整体、体質改善整体 彩です。今回は、小林市の股関節痛でお悩みのあなたへ、股関節痛が起こる5つの原因を解説していきます。この記事を読むことで股関節痛を起こす5つの部位について知ることができるだけでなく、あなたの股関節痛のタイプを見極め、それに合った対策を行うことで股関節痛の早期改善に繋げることができます。是非、最後まで読んで治療に役立ててくださいね。
本記事のテーマ
・原因1・・・腰椎
・原因2・・・関節包
・原因3・・・軟骨
・原因4・・・筋肉
・原因5・・・仙腸関節
【股関節の痛み】考えられる5つの原因
股関節痛が起こる5つの原因
「股関節痛」と一言で言っても、原因は股関節だけではありません。レントゲン写真で見たときの股関節の変形の度合いと、痛みの程度が必ずしも一致しないという研究データもあります。例えば、股関節にはまったく異常がないにも関わらず、実際は足を引きずって歩くほどの股関節痛がある場合があります。またそれとは逆に、レントゲンでは股関節の変形がひどくても、本人はそれほど痛みを感じていない場合もあります。
つまり、股関節痛の原因は、必ず股関節にあるとは限らないということです。実際に、当院でも股関節痛を理由に通院されている方がいらっしゃいますが、股関節の治療だけで良くなるケースは稀です。
股関節痛を起こす体の部位は5つあります。この5つの部位とは、➀腰椎、➁関節包、➂関節軟骨、④筋肉、⑤仙腸関節です。
あなたの股関節痛を充分に改善するためには、あなたの股関節痛が➀~⑤のどれが原因なのか見極め、それに合った治療法を選択することが改善までの近道になります。
再度、念を押しておきますが、もし、あなたが股関節痛で悩んでいて、レントゲンで軟骨が擦り減っていると指摘されたとしても、本当にそれが原因で股関節痛が起こっているかは現時点では分からない、ということです。もし、股関節の軟骨が擦り減っていたとしても、股関節の痛みの原因は筋肉にあったというケースもよくあります。事実、軟骨には神経が存在しないので、少し擦り減ったくらいでは痛みは感じません。
股関節痛の原因を5つ見ていく中で、あなたの股関節痛の原因の心当たりが見えてくるかもしれません。それでは、➀~⑤を一つ一つ見ていきましょう。
原因1・・・腰椎
まず、股関節痛の5つの原因のうち、最も多い原因が「腰椎」です。腰椎とは背骨の腰の部分で、背骨の下5つの骨のことを言います。
意外にも股関節痛が起こる原因のうち、最も多いのがこの「腰椎」なんです。なぜ、腰が原因で股関節痛が起こるのかというと、腰椎のゆがみによって神経が圧迫されることによる神経痛と言われています。例えば、下の図は股関節まわりの神経を示した図になります。
図からは分かりにくいですが、股関節まわりの神経はすべて腰椎から来ています。そのため、腰椎のゆがみや変形によって股関節まわりの神経が圧迫されたり、引き伸ばされたりすることによって、股関節痛が起こることがあるのです。
また、腰の椎間板の変形やずれが生じたり、腰椎の関節がズレたりすることで、遠く離れた部位に「関連痛」として股関節痛が起こることがあります。これは、神経の圧迫などの所見があるわけではありませんが、股関節の痛み、重さ、鈍さなどを感じることがあります。関連痛が起こるメカニズムはまだよくわかっていないのが事実ですが、腰が痛くなくても、このように腰椎が原因で股関節痛が起こることが非常に多いです。
腰椎での神経圧迫による股関節痛、または腰からの関連痛による股関節痛に関しては、腰を治療することによって比較的簡単に改善することができます。しかし、実際は腰の問題を見落とすことによって股関節痛が長引いている人たちが多いのが現状です。
原因2・・・関節包
股関節は、「関節包」と呼ばれる関節を包む袋のような組織で覆われています。股関節痛の原因の2つめは、その関節包がゆがんだり捻じれたりすることによって起こります。ここで言う関節包とは、股関節を覆う関節包と、関節包の周りのじん帯を含むこととします。
上の図は、股関節の関節包、じん帯を示しています。上の図の左側の図は純粋な股関節、右側の図は股関節を覆う関節包を表しています。
このタイプの股関節痛は、関節包が偏った方向に引き伸ばされたり、捻じれたりすることによって起こると考えられています。この関節包やじん帯は股関節を守って補強する働きがあり、痛みを感じる神経が通っています。そのため、関節包が引き伸ばされたり、捻じれることによって痛みを感じる神経が刺激されて痛みを感じるというわけです。
そして、関節包が痛んで炎症を起こすと、じっと寝ていても股関節の痛みを感じるようになります。関節包の炎症が繰り返されることで関節包やじん帯が固くなり柔軟性がなくなると、股関節の可動域が制限されてきます。
この場合の股関節痛は、関節包のゆがみや捻じれを悪化させる方向に動かすと痛みが悪化して、ゆがみねじれを修正する方向に動かすと痛みが軽くなります。もし、関節包の炎症が強くじっとしていても痛みが強い場合は、しばらく安静にして炎症が治まるのを待った方がいい場合もあります。
原因3・・・軟骨
股関節痛の原因3つめは、股関節の軟骨が擦り減ることによって起こります。とは言っても、軟骨には神経がないので、ただ軟骨が擦り減るだけでは痛みは生じません。しかし、擦れた軟骨の破片が異物なり関節包を刺激すると、炎症を起こして痛みを感じるようになるのです。
また、軟骨の擦り減りがひどくて、軟骨の下の骨やその周りの組織が損傷して痛みを感じるようになります。このタイプの股関節痛は、軟骨の擦り減りが原因なので、腰椎タイプや関節包タイプのように簡単に改善することはありません。
まずは、股関節の潤滑を良くするための体操を行っていく必要があります。股関節の潤滑を良くする体操を行うことで、関節液からの栄養が軟骨に行き渡るようになると、少しずつ軟骨が修復されます。これには長時間かかります。
ちなみに、軟骨の擦り減りや変形がひどくなると、「骨棘」と呼ばれる骨のとげができるようになります。よく病院でこの骨のとげが原因で痛いのでしょう、と言われることがありますが、実際のところ、この骨棘が原因で痛みが起こることはないとされています。
原因4・・・筋肉
股関節痛の原因の4つめは、股関節まわりの「筋肉」です。股関節に問題があると、股関節を守るために股関節まわりの筋肉が固くなります。このことを防御性収縮と言います。防御性収縮自体は、関節を保護することが目的なので正常な体の働きなのですが、これが長く続くとスパズムと言って筋肉が緊張した状態になってしまいます。スパズムによって固くなった筋肉は血流が悪くなり痛みを感じるようになります。
ここでは、股関節まわりの筋肉で、股関節痛の原因となりやすい筋肉をいくつか紹介していきますね。
まずは、「腸骨筋」という筋肉があります。腸骨筋は下の図のように骨盤の内側から股関節にかけてついている筋肉で股関節を前に曲げる働きがあります。
次に「大腰筋」という筋肉があります。大腰筋は下の図のように腰椎から骨盤、股関節にかけてついている筋肉で、腸骨筋同様股関節を前に曲げる働きがあります。
この腸骨筋と大腰筋は骨盤の内側で重なり合っているため、この二つの筋肉が癒着を起こしてしまうことが非常に多いです。基本的に腸骨筋や大腰筋が原因で股関節が痛くなる場合は、股関節の前側や太ももの前側が痛くなるケースが多いです。
次に「梨状筋」という筋肉があります。梨状筋は下の図のようにお尻側にあります。とは言ってもお尻の表面の筋肉ではなく、かなり深い場所にあり簡単には触ることができません。股関節を外側に捻る働きがある筋肉で、梨状筋が原因で起こる股関節痛は、股関節の後方、臀部に痛みが出るケースが多いです。
最後に、「中殿筋」という筋肉があります。中殿筋は下の図のように、骨盤と股関節を繋ぐ筋肉で、股関節を外に開く働きがあります。中殿筋が原因で股関節が痛くなる場合、股関節の外側が痛くなるケースが多いです。
股関節痛の原因となる筋肉、腸骨筋、大腰筋、梨状筋、中殿筋の4つを紹介しました。でも、股関節の周りにはまだまだたくさんの筋肉が存在しており、この4つ以外にも股関節痛の原因となる筋肉は存在します。また、いくつかの筋肉が同時に防御性収縮を起こし、固まっている場合も多いです。その場合、股関節まわりの筋肉を全体的に柔らかくしていく必要があります。
原因5・・・仙腸関節
仙腸関節は骨盤の関節で、外から見ても分からないくらいの非常に小さな動きをする関節です。仙腸関節の動きは1㎜ほどの小さな動きですが、歩行中に股関節の動きに連動して骨盤を捻じれさせ、力を分散させる働きがあります。
仙腸関節は年齢とともに固くなり、動きにくくなることが分かっています。すると歩行中の股関節の負担が増えることになります。このように、仙腸関節と股関節は非常に近い位置にあり、どちらも歩行において重要な役割を担っていることから、仙腸関節の問題によって、股関節の負担が増え痛みが起こると考えられています。
ちなみに、仙腸関節は70歳代までには、約10%の人で固まってしまいほとんど動かなくなると言われていますので、定期的にケアを行っていくことをオススメします。